中断していた、「FIMBAを批判的に評価する」シリーズであるが、その(3)としてあげられるのが「『MBAコース』という設定から来るFIMBAの限界」である。
Football Industriesの専門科目として履修する科目は以下の通りになっている。
International Football Industries(国際サッカー産業論)
Football and Finance(サッカーと財務論)
Football and Media(サッカーとメディア論)
Football and Law(サッカーと法律論)
Sports Marketing and Intellectual Property(スポーツマーケティング論および知的財産権)
Managing Game(ゲーム管理論)
最初のInternational Football Industriesを除いて(第1セメスター履修)上記の全ての科目は第2セメスターで履修することになっている。そしてManaging Gameは第1セメスターの成績を下に上位12人の選抜なので、FIMBA在籍生が全て履修できるわけではない。 以前の2回の稿で論及した問題点を除いては、この科目についてはいかにもFootball Industriesらしい科目でこれはこれで十分評価できる。確かにこれらの科目についてはそれなりに知的好奇心を引かれたのも事実である。
しかし、これ以外にもCore Moduleと呼ばれる科目が存在する。以下の通りである。
Managing People(人事管理論)
Managing the Environment(マーケティング論?)
Managing Resources(財務会計論およびサプライチェーンマネージメント論)
Managing Changes(人事管理論の亜種?謎な科目)
これらの科目については最後のManaging Change(第2セメスター履修)を除き第1セメスターで履修ということになっており、Football Industriesの学生のみならず他のMBAコースの学生との共通科目で、一応経営のプロになるため、つまりMBAの学位を与えるにはFootball Industriesの学生でも勉強しておかなければならないということで、必修科目として課されているのではないかと推測される。
しかし、しかしだ。この科目が全く面白くないのである。特にFootball Industriesの学生達にはとても評判が悪く、コースメイトの中には「なんでこんなもんやらなきゃなんないの?」という強い疑問も差し挟む人もいた。私も全く同感である。知的な興味もあまり湧かないし、実際サッカー業界で役にたつのかどうかかなり疑わしい気がしてしょうがない。
また、これらの科目については私みたいなFIMBAの底辺を彷徨う人間にとっては、落とす可能性が高い科目であり、私のように一つ間違うとExtensionのきっかけになりかねない。そりゃ、Football Industriesの専門科目を落としてExtensionならばまだ諦めもつくが、こんなFootball Industriesとは関係があるのかどうか相当疑問な科目を落としてExtensionとなってはやりきれない。
百歩譲ってCore ModuleはFootball Industriesと関連があるとしよう。でもその割には第1セメスターで主に習うCore Moduleと主に第2セメスターで習うFootball Industriesの専門科目との間に関連性、体系性があるかといったらこれもかなり「疑わしい」のだ。Core ModuleとFootball Industriesの教授陣同士で話し合って関連性、体系性を失わないよう意識して教えているとは思えないし,第2セメスターのFootball Industriesの専門科目が第1セメスターの内容を踏まえてというのならばまだ分かるが、そういう雰囲気はほとんどない。Core ModuleとFootball Industries、両者バラバラ、好き勝手にやっているというのが実情なのだ。
それならばこんなCore Moduleなんか全部なくしてしまって,現在成績上位者から12名選抜という形になっているManaging Gameを習熟度別でもいいからFootball Industriesの学生全員に履修させてもらう方がナンボかマシである。
これは私の推測の域を出ないが、ぶっちゃけた話、リバプール大学経営学部はFootball IndustriesのコースをMBAコースの一つとして開講してしまったものだから、本当はFootball Industriesの専門科目だけでいいものを、MBAの縛りがあって残りの4科目Core Moduleをあわててくっつけたという感じがしてしょうがないのだ。これが仮にMA(Master of Arts)の学位を与えるという狙いならこんな無理というか矛盾は起きなかったのではないか。
たとえば、同じようなサッカー業界で活躍できる人材を作るという目的の下設立されたFIFA Mastersでは確かにManagementの科目はあるものの、もう少しサッカー業界で使えるようにアレンジしている工夫が伺えるし、それ以外にもサッカーを含むスポーツが社会に及ぼす影響等の人文科学系の科目も独立して履修内容に含められている。これはFIMBAではありえない。また法律関係についてもFootball and Lawという一つの科目しかないFIMBAと比べて独立のモジュールを立てて3ヶ月に渡って勉強するというかなり充実した内容になっている。これらは‘MBA’という縛りがないことによるのではないかと思っている。
以上のような理由からFIMBAは‘MBA’というコース設定にしたところから来る限界が見え隠れするのではないかというのが私の結論である。さらに最近は大学の公式文書が’FIMBA’と表記せず、’MBA(FI)’と表記することが多くなってきている。つまり大学側は、「MBAコースの中」のFootball Industriesという性格を強めようとしているのではないかと邪推してしまう。 そしたらもっとCore Moduleに相当する科目が増え、Football Industriesの専門科目が減らされるのだろうか?そういう事態だけは避けて欲しいと思うのが現役の学生としての意見である。
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